肺疾患・呼吸器疾患で命を落とさないようにしましょう。
呼吸器とは肺およびその周辺臓器のことで、呼吸をして、からだに酸素を取り込み、炭酸ガスを排出する(ガス交換)重要臓器です。ここに病気が起こると命にかかわってきます。咳・痰・血痰・呼吸困難・胸痛などの異常を感じたら、また健診などでレントゲン異常を指摘されたら、一刻も早く受診しましょう。
呼吸器内科の特長
肺炎・肺線維症(間質性肺炎)・肺がん・気管支喘息・肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)を始めとするあらゆる呼吸器疾患に取り組んでいます。
呼吸器内科の診断・治療
患者さんの自己決定権を優先し、生活の質(QOL)や年齢、検査の苦痛に配慮しながら、確定診断をつけ、説明と同意(インフォームドコンセント)の下に標準の治療法から最適なものを行います。呼吸不全時には、臨床工学室と協力して、酸素療法や非浸襲的人工呼吸など、あらゆる器具・機器を取りそろえ最適な呼吸サポートを行います。もちろん在宅酸素療法も行います。
肺がんなどの腫瘍では、多方面からの治療(集学的治療)を行うため、放射線診断科・放射線治療科や腫瘍内科と協力して診療しています。放射線治療科にはいわゆるピンポイント照射(定位照射、STI・SRT)や強度変調放射線治療(IMRT)ができる最新式の放射線治療装置があり、苦痛が少ない効果的な治療できます。
腫瘍内科では効果的な化学療法(薬物治療)をしてもらえます。気管支鏡検査や手術で得られた、がん組織や細胞から遺伝子を抽出し、変異陽性例には、最適で有効な分子標的薬も使用します。
呼吸器内科が対象とする疾患
肺炎・肺化膿症(肺膿瘍)・胸膜炎・急性膿胸
いわゆる呼吸器感染症です。胸部CT・血液検査・検痰・時には気管支鏡検査などで診断をつけ、抗菌剤などで治療します。急性膿胸には、膿の排出のため、胸腔ドレナージをおこないます。
肺線維症(間質性肺炎)
肺が線維化して硬くなる病気で、肺活量が低下してガス交換ができなくなり、呼吸困難や呼吸不全を起こします。ほとんどが原因不明の特発性です。胸部CT・血液検査・肺機能検査・核医学検査(シンチグラフィー)や気管支鏡検査で診断をつけます。悪性度の高いものもあり、即時にステロイドホルモン剤大量療法(パルス療法)などをおこなわなければ救命できないこともあります。
肺がん・その他胸部腫瘍
肺がんは、老衰や事故、すべての疾患を入れても、日本人の死因第1位の悪性度の非常に高いがんです。血液検査・検痰・胸部CT・MRI・PET-CT・核医学検査(シンチグラフィー)・気管支鏡検査などあらゆる手段で診断をつけ、早期に手術をおこないます。
石綿吸入による胸膜中皮腫や、主に気管や心臓の周囲にできる縦隔腫瘍も血液検査・胸部CT・MRI・超音波検査・PET-CT・胸腔鏡などで診断をつけ、必要ならば呼吸器外科専門医に手術をしてもらいます。
進行がんなどで必要ならば、肺がんやその他の胸部腫瘍に放射線治療や化学療法(薬物治療)も行います。
喘息・肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)
肺機能検査(肺活量や強制呼出検査)・胸部CTや核医学検査(シンチグラフィー)で診断をつけ、最新の治療を行います。特に喘息はステロイドホルモン剤の吸入をしないと生命にかかわります。発作時や感染増悪時、呼吸不全になれば入院治療も行います。
呼吸器内科での検査
胸部レントゲン検査
おなじみの検査ですが、一方向だけではなく、側面写真や側臥位なども撮影し、見落としを防ぎます。健診車などの間接撮影と違い、直接撮影はほとんど被曝がないので、安心して受けて下さい。
胸部CT検査
128列256スライスの高性能CTで撮影、撮影時間は世界最速で被曝も少量です。肺の中が詳しく観察できます。原則として、撮影直後読影・説明をしますので、何度もご足労いただかなくても結構です。
PET-CT検査
がんに集まって陽電子を出す物質を注射し、がんの拡がりをみる検査です。苦痛はありませんので安心して受けて下さい。がんの病期を決めたり、治療を決めたりするのに重要な検査です。
肺機能検査
肺活量や強制呼出検査を行い、喘息・肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)や肺線維症(間質性肺炎)の重症度を決めたり、治療の効果をみる検査です。苦痛はありませんので安心して受けて下さい。喘息の診断・治療効果判定に役立つ呼気一酸化窒素測定器の導入も行います。
気管支鏡検査(呼吸器内視鏡検査)
気管から気管支に細いカメラを挿入して肺を直接観察し、洗浄や生検をおこなって原因を確定する検査です。この検査が始まってから、原因がわかるようになり、呼吸器疾患の診療に革命が起こりました。遺伝子変異検査の材料も得られます。直視できない辺縁部肺がんの生検ヒット率をあげる、最新の、ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)も行います。なるべく苦痛がないように麻酔をして行います。
受診時のアドバイス
呼吸器外科と連携して診療していて、ともに呼吸器センターを形成しています。処置や手術が必要なときはすぐに対応してもらえます。呼吸器外科では、呼吸器外科専門医による、からだの負担が少ない完全胸腔鏡下手術が行えます。
医師
部長(胆膵・呼吸器)
坂井 良行
専門分野 | 胆膵系疾患 消化器一般 |
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資格認定・専門医 | 医学博士 日本内科学会 認定医 日本内科学会 総合内科指導医・専門医 日本消化器病学会 指導医・専門医 日本消化器内視鏡学会 指導医・専門医 日本肝臓学会 指導医・専門医 |
非常勤医師
中野 孝司
専門分野 | 呼吸器 |
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非常勤医師
山田 潤
専門分野 | 呼吸器 |
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非常勤医師
高橋 良
専門分野 | 呼吸器 |
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非常勤医師
神取 恭史
休診・代診
10月15日 | 休診 午後 神取 |
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