医療法人明和病院

医療機能評価機構認定病院、臨床研修指定病院、兵庫県がん診療準拠点病院

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津波避難訓練

津波避難訓練

2018年2月4日

明和病院は西宮市の海沿いに位置していて、
地域防災計画によると、南海トラフの地震が発生した場合、
西宮市では震度5弱~6弱、
津波が発生して、第1波は地震発生から90~110分で到達し、
1m規模の津波の到達時間までは112分と予想されています。

更に、地域の高低差や建物の立地などを考慮した
ハザードマップによれば、明和病院周辺でも
30cm程度、水に浸かってしまうそうです。

では、津波が押し寄せて来るまでの2時間の間に
病院は一体何をすべきか。

津波が到達すると病院の1階や地下のフロアは
水に浸かってしまいます。
日中であれば職員の数も多く、
1階の患者さんを2階以上のフロアに避難誘導するのに
2時間という時間は十分かもしれません。

しかし、
もし地震の発生が、人員が手薄の深夜であったら・・・

ごく小数の職員が1階にいる患者さんを避難させねばなりません。
自力で歩ける患者さんは各自で階段を上がってもらい、
自力で歩けない患者さんを限られた人数のスタッフ総出で避難させることになります。

短時間で慌てず効率よく行動するために、
我々は、何をすべきかを簡潔に記載した内容を
手のひらサイズにパウチしたアクションカードを作りました。

これがあることによって現場の混乱を
少しでも抑えることができます。

さて、患者さんを運ぶ方法ですが、
意外と知られていないようですが、
最近は『担架』は使いません。

私達も西宮市消防局の救急隊員さんに教えていただいたのですが、
患者さんの避難に必要なものはひとつだけ。
それは『患者さん1人に1枚のシーツ』。

シーツは入院患者さんであれば誰でもベッドにシーツが敷かれているので
特別に用意する必要がありません。

まず、同じフロアを移動する場合、
患者さんはシーツに横になり、手を胸の辺りで組む。
次にシーツで患者さんをくるんで頭側のシーツをねじって絞る。
そして、

一気に引くと、不思議なことに患者さんがどんなに大きな人でも
“ス~~~”っと軽く引っ張れてしまいます!

これで、たった一人の職員が同じフロアであればどこまででも引いていけるし
意外と引く力も必要ない。因みに、段差のないフロアをいくら引いても
患者さんは痛くも痒くもない。

こうして沢山のシーツにくるまれた患者さんが階段の前に集められます。

次に、患者さんの頭側と足側の両サイド、計4人が
外側からシーツをクルクルと巻き込み持ち上げる。
コツは、患者さんの体のギリギリまで巻き込むこと、
こうすることで患者さんの体がブレずに安定します。

そして、階段を上がる。

では、現場をお見せしましょう!!

ERには当直中の上級医と研修医。
※ リアルに当直中の外科K先生と研修医1年目のS先生

開始直前にER看護師長のS師長から概要の説明を受けます。

ERの前では既に患者さん役が待機中
寒い中、床に寝かせてしまってゴメンね!!

訓練開始とともに、先生と看護師さんは被害状況を確認して
患者さんのもとに駆け付けます

そして、次々にシーツにくるまれて
廊下を引っ張られていき、階段の下に集められます。
患者を引っ張る(4秒間動画)

階段の下まで来ると、シーツを持ちかえて
4人で搬送開始です!

持ち上げてみると4人で持っても意外と重いことにも
気がつけるはず

コーナーにも気を付けて慎重に階段を上がります。

無事に2階に到着!

これで1人目完了!
さぁ!2人目を助けに行こう!!!

その頃・・・
同じく1階のフロアにある病棟、北1病棟でも
ERよりはるかに大人数の動けない患者さんを救うべく、
看護師さんたちが奮闘していました

この時、階段の下で患者さんを持ち上げた看護師さん4人、
持ち上げたその瞬間!!
示し合わせたわけでもないのに同時に、
『重っっっっ!!!』
と叫びました!!!

それを聞いた私の足元で横たわっている患者さん役の女の子、
『私の時にあんなん言われたら嫌や~~~!!』
と、半泣きになっていました。
こんなところで乙女心を傷つけてはいけません。。。

 途中からはERの患者さんの搬送を終えた先生方も加わり、
一気に作業が加速します!!!

全ての患者さんが搬送できたら
災害対策本部に報告!!
ここで先生は医師の助けを必要としている病棟を確認します

訓練はここまで!!

実際の患者さんの数より少ない訓練でしたが
その時間、なんとたったの15分!!!

ERの上級医のK先生の的確な指示と声出し、
北館1階病棟で、指示出しに徹したリーダーさん、
その指示に従い、粛々と行動するスタッフ、

そのすべてがリンクして
6回目となる訓練は無事に成功しました。

初めての訓練は本当にグダグダだったことを覚えています。
しかし我々はその中から、ひとつひとつ問題点を洗い出し、
改善し、次の年の訓練に反映してきました。

病院という職場は、医師も看護師も入退職が多いので、
毎年少しずつ改良を加えながら毎年何度も同じ訓練を繰り返します。
こうして新しく入職した職員にも体験してもらうことで
いざという時に滞りなく動けるよう備えています。

本来、必要にならないに越したことのない知識と経験。
でも、いつかは必ず必要になる知識と経験。

ことしもつないでゆくことができたと思います。

臨床研修 事務担当 N

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