医療法人明和病院

医療機能評価機構認定病院、臨床研修指定病院、兵庫県がん診療準拠点病院

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へき地医療(番外編)その2

へき地医療(番外編)その2

2016年11月28日

今回のブログも、
まったくもっての番外編。。。

前回からの続きです。

10月某日の翌日(晴れ)

さて、「たまたま」入った温泉と「たまたま」食べた松茸を堪能した翌朝、
温泉街の一体どこから出てきたのかと思うくらい
沢山の高校生が乗るバスに乗り浜坂駅に到着。

実のところ、浜坂病院の前を通るバスに乗る予定が
間違えちゃって浜坂駅に来てしまった。。。

なんとまぁ。
またもや駅前で一人ぼっちになってしまった。
バスが行ってしまうと人影はない。

どこから浜坂病院に行くバスが出るのか聞きたくても
聞く人がいない。

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浜坂駅の切符売り場。
ひとつだけ窓口があるけど周囲にお客さんもいなければ
駅員すらいない。

N「すいませーーん!すいませーーん!!」叫ぶ声だけがこだまする。

しばらくすると駅事務室の奥のほうから「はーーい」と返事が返ってきて
お爺さんの駅員さん登場。

N「浜坂病院に行くバスはどこから出ますか?」
爺「うーーん。わかんないけどバス停ひとつだから。。。」

聞いた私がいけなかった。

それらしきバス停の前で待つこと10分くらい。
8人乗りくらいのワゴン車が目の前に止まって、自動で扉が開いた。

運転席には帽子をかぶった謎の人。

謎「どうぞー」
N「・・・???」

運転席と助手席の間に運賃箱がついている!
こいつは立派な“バス”だ!!

あ、浜坂の皆さんのために補足すると、
これは路線ごとの需要のバランスで、適切な大きさの車両で運行されている
町が運営する「コミュニティバス」ってやつで
路線によっては大きなバスも走ってました。

浜坂病院さんでは担当の係長さんと医師対策の参事さんと
世間話も交えていろいろお話した。
どこもかしこも医師不足で医師の確保には本当に苦労されているご様子。

研修医が来たときには“飽き”が来ないよういろいろとイベントも考えておられる。
中には“民泊”なる、昔の庄屋さんの家で1日ホームステイをさせてもらい、
囲炉裏端で魚を焼いて食べたりしたらしい。
なんとか楽しんでもらって、“へき地に興味を持ってほしい!”という思いが
ひしひしと伝わってきた。

改めて浜坂駅に戻り、
さっきのお爺さん駅員さんに「病院行けた~~?」と声を掛けられ、
ディーゼルカーの電車に乗り込む。

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ここからは海沿いに走り、餘部(あまるべ)鉄橋を超えて香住駅へ。
窓を開けると風がとても気持ちいい。

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浜坂や香住はともに秋から冬にかけて“かに”で賑わう。
いわゆる“タグ付き”のブランド蟹の産地でもある。

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香住駅前にタクシーが止まっているのを見つけるや否や、
なぜか“このタクシーに乗らねばならない!”と思ってしまい即乗車。
(だって、逃したらまたポツンと取り残されそうな気がして。。。)

香住病院さんは比較的建物も新しく広い病院であったが、
ここで対応してくださった事務局長さんも他の2病院と同じく
医師がなかなか集まらない。とおっしゃっていた。

まじめな話、冗談抜きに、
今回の挨拶回りの出張で
へき地の医師不足を肌で感じずにはいられなかった。
お年寄りには医療が必要なのに、必要な人材が足りない。
数人いるお医者さんも、その大半がかなりのお年の先生方。
外科を標榜していても手術ができない。
手術室はあっても使えない。
病院玄関には遠く離れたところからの応援の医師のスケジュール表。
切実だった。

今回、直接赴いてお話できたことはとても大きかった。
沢山話をして、へき地医療を担う人たちの生の声を聞けた。
どの病院も自信を持って研修医に薦められるとても素晴らしい病院だった。


無事に3病院に挨拶を済ませ、あとは列車に乗って帰るだけ。
ちょうどお昼時だし、電車まではあと1時間半くらいある。

海岸線の道をキャリーバックを引いて歩く私の目の前に、
ちょうど『たまたま』お店が現れた。
しかも、なんとお寿司屋さん!!!

仕方ないよねー。
周りに他には食べられるお店が見つからないんだから。

お店の暖簾をくぐると板場を囲んでカウンターがあり。
その一角に座って私は考えた。
 ミッションである3病院へのご挨拶は無事に済ませました。
  → 電車の発車まではあと1時間半あります。
   → 電車が三宮に着くのは16時半です。
    → 病院に寄ると着くのは17時過ぎです。
     → だとすると、今日は家に直帰ですね。
      → では、本日の業務は終了です!

N「・・・・・大将!生ひとつ!!」
※ このブログを病院幹部の人が読みませんようにーー。

カウンターの生簀にはびっしりと鮑が!

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それより私を呼んでいたのは、「のどぐろの炙り」
あまりの美味しさに失神するかと思った!
“のどぐろ”初めてだったんだよねー
驚いたなー

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今回は握りのセット8貫にしたけど、なんと鮪(マグロ)はありません!
なぜならば、近くで鮪は捕れないからです。

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近海で捕れるお魚だけで勝負する。
いいお店だ。

研修医にもこのお店勧めてあげよう。
そして、ここに研修医が来たら、
途中で他の研修医も連れてみんなで遊びに来よう!

握り8貫のうちの1貫が、これまた“のどぐろ”で
あまりの美味しさに、またも悶絶!

「大将!のどぐろもうひとつ握って!!」と2回リピートし、
“生”は、香住の銘酒“香住鶴”に変わり、徳利は2本空いた。

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改めて申し上げます。
これは、業務終了後であり、且つ、研修医のための立派な“リサーチ”であります。

これらの写真をバンバン研修医に送った結果、
4人いる研修医のうち、2名がへき地医療の研修に興味を示して名乗りを挙げた。

来年、夏に改めてみんなで湯村温泉に行こう!
そして秋にはみんなでのどぐろとカニを食べに行こう!

研修医には、沢山仕事をして沢山学び
そして思い切り楽しんでほしい。

因みに、今年の松葉ガニの解禁日は11月6日です。

今から来年が本当に楽しみ♪

  へき地医療(番外編)(完)

臨床研修 事務担当 N

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